ヴォルデモートに養ってもらって早一週間。 俺の夢は未だ覚めないままに続いていた。 「ヴォルデモートー」 「なんだ」 「魔法が使ってみたい」 折角続いてる夢だ。 いつ覚めてしまうかもわからないし、 この際魔法でも使ってみたい。 「……禁断の魔法をか?」 「は? いやいや、普通の……ルーモスとかエクスペリアームスとか」 「一般魔法か」 「うん」 「お前は純血ではないのか?」 「うーん、根っからのマグル……に、なるのかなぁ? 魔法は知ってるけど」 魔法の使えない人をマグルだっけ? あれ? いや、でも魔法族の魔法が使えない奴がスクイブだから……うーん。ややこしいな。 「……この杖を振ってみろ」 「これ、ヴォルデモートの杖?」 「あぁ」 「……」 くるん。 適当に回してみる。 ……あれ? 「……んんん?」 「魔法の才能はあるようだな。それに俺様の杖との相性も良い」 ……。 はー、夢ってホントに都合良いなー。 「とりあえず杖を返せ。部屋を片付けたい」 「……ごめん」 「杖探しでは定番のことだ」 部屋はぐちゃぐちゃになっていた。 豪華な花瓶は見るに堪えないほど割れていたし、 真黒な、けれど美しい刺繍の施されたカーテン(だったもの)はずたずたに裂かれていた。 「……わー。レパロとか唱えないんだな」 「このくらい、もう呪文など必要ない」 「ふーん」 きらきらと光が舞って物が直っていく様は、 まるで蛍を眺めているようだった。 うーん、懐かしき田舎の蛍。 「……オリバンダーのところへ、行くか」 「え? いいの?」 「金なら気にするな。無駄にある」 「え、いや、そうじゃなくて……ヴォルデモートだろ?」 「それがどうかしたのか?」 「……」 あれ? おかしいな。 この前闇の帝王肯定したよな? 「……えっと……、指名手配犯的な……感じじゃ……ないの……?」 「……あぁ!」 ヴォルデモートがぽん、と手を打った。 うわ、なにそれ。キャラ違うだろ! 可愛いから許す!(…) 「そうだな、仕方ない。ではルシウスに案内させよう」 ……え? 進む≫