いやいやいやいやいや、有り得ないだろ、マジで? だって、だって。 奴はハリポタの、そう、本、本の中の住人だ。 これは夢? 夢か。 あぁそうか、夢か。 だから多分きっと恐らく英語で喋っているであろう奴の言葉も理解できるんだな。 そうかそうか。 あっはっは、夢だな。理解した。 そうだよな実際にこんなことが起きるわけないよなそうそう常考だろ常考ォ! 「あははごめんお邪魔したなところで此処どこ?」 「なんだ話せるじゃないか。……どこだと?」 ヴォルデモート(仮定)が訝しげに言った。 やーんかーわーいー!(夢だしもうヤケクソー) 「此処は、わた……いや、俺様の館だ」 「館ぁ? 随分と仰々しい言い方だな」 「皆此処を恐れる。宛ら恐怖の館だな。……いや、奴らにとってはそんな言葉では足りぬか」 自嘲的な嗤い。 あぁおかしいな、本の奴とは大違いだ。 まだヴォルデモートとして恐怖の存在に降臨してから短いのだろうか。 「……ふーん。じゃあヴォルデモートで間違いないのか」 「……驚いたな。俺様の名を口にするか」 「あぁ……駄目だったか? じゃあ、例のあの人……って本人前にして言うと変だから……闇の帝王でいいか?」 「……いや……ヴォルデモートで、良い」 「そうか。じゃ、ヴォルデモート」 「なんだ」 「いや、用はないけど。……うーん、そうだ、此処ってさぁ、やっぱ、英語圏?」 「……何を言っているんだ。俺様もお前も、英語を喋っているだろう」 「えー……」 英語ねぇ。 俺は英語なんて喋ってないし、それに俺にはお前が英語を喋っているようには聞こえないけどなぁ。 あーやっぱ夢だし、矛盾が多いのかな。 「うーん翻訳機能付きとは、何とも都合の良い夢だこと」 「は?」 「いやこっちの話。なぁヴォルデモートー」 「……なんだ」 「養って?」 「は?」 うーん、さすがの夢でもそこまで都合良く出来てないのかぁ。 「いやぁ、俺、帰るお家がわからないんだよね」 「はぁ?」 「だから丁度良いとこで出会ったヴォルデモートに養ってもらおうかなって」 「……」 うーん、やっぱ駄目だよなー。 最悪ここで殺されて目が覚めて終わりだよなー。 「……よかろう」 「あ、やっぱそうだよな、駄目に決まって……なんだって?」 「良いと言ったんだ。お前のような奴も面白くて良い」 「……」 わーマジで都合良さすぎだなこりゃ。 「……さんきゅ」 「構わない。お前のような騒がしい奴が懐かしかったところだ」 「はは」 夢って曖昧でふわふわした感覚がして決して夢だとわからないと思ってたんだけど、 そういえば俺、夢って理解してるし感覚もやけにリアルだなぁ。 進む≫