「い、や…!」 「なにが嫌なんだい、 …?」 いやだやめてと抗う私に彼は優しく手を差し伸べた。 あぁその手は顔はやさしいのに、どうしてあなたはこんなにも酷い人なの? 「やめて、 …!」 「どこに行くんだい。君の居場所はここだろう?」 どうにか彼の優しい手から逃れようと後ずさっても、 彼はゆっくりと優しい顔のまま歩いてくる。 どうすればどうすればどうすれば彼から逃げれるのかしら? 彼の優しい手に囚われない方法は? 彼から逃れるための術は? あぁ、おねがい、そのてをのばさないで、 「 、…あいしてるよ」 「あ、あぁっ…あ……、あ」 「愛してる」 そして彼が優しく優しく、私の首へ手をかけた。