「ルーク!」 「……ッシュ……?」 「ああ、起きた。よう、昼寝の時間はとっくに終わったぞ、ねぼすけ」 「……ガイ?」 「ああ」 ガイ、今いいところだったんだけど。言ってもわかんないだろうから、言わない。 でも邪魔したのはムカついたから、あとで仕返ししてやる。レモンでも喰わせるか。 「おはよう」 「ああ、おはようルーク」 ガイは、何度言ってもルークって呼ぶから、もう訂正もしない。 アッシュもそれでいいって言ってるから、それで、いいんだ。 でも俺は嫌だった。でもアッシュがそれでいいから、いいことにした。 「ガイ、何か用事か?」 「あ、……あぁ、夕飯の時間」 「わかった、ガイは先に行っててくれ」 ガイが名残惜しそうに出て行った後、髪に櫛を通す。 俺はそんなことしなかったけど、アッシュが通せって言ったから、ちゃんとしてる。 そして櫛と指を上手く使って、高くまで髪を持ち上げる。 前は上手くできなかったけど、もう馴れたものだ。 長いのはアッシュで、短いのは俺だったから、俺たちはセミロングにした。 俺もアッシュもそうだったからサイドは残して高く結び上げて、馬の尻尾みたいに振りまわす。 アッシュもこの髪型気に入ったらしくて、初めてしたときは機嫌が良かった。 結ぶ際は長いリボン。アッシュの鮮血の色に合わせた、綺麗な色。 「……あ」 リボン、ほつれてる。あーあ、アッシュが気に入ってたのに。 新しく買ってこないと。同じの、まだ売ってるかな。 ……そういえばアッシュ、飯、食べるのかな。 食べないって言ったから、今日も俺が飯を食べることにする。 アッシュ、偶には食べようよ。美味いぜ、飯。 「……いやなら、いいけど」 「あ、いたいた! アーク!」 「……アニス?」 「もうっ、探したんだよ! ご飯の時間!」 「さっき、ガイに聞いた……」 「え、嘘! も〜っ、それ先に言ってよー! アニスちゃんずっと探したんだよ!」 「悪い」 「あんたが謝んなくていいの! 悪いのはガイーっ」 アニス、は、アークって呼ぶ。なんでかは、考えてない。けど、どっちでもいいのかもしれない。 今だにアニスが玉の輿がどうの言っているのは、知らない。 「そういえばアーク」 「ん?」 「あんた、ルークの記憶もアッシュの記憶もあるの?」 「あぁ……あるよ」 ――どちらも、ロクなものではないけど。 「あるんだ。じゃあナタリアに、あとで会ってあげてよ」 「なんで?」 「アッシュに逢いたいんだってさ」 「……ふーん」 あいつ、まだアッシュのこと諦めてないんだ。しつけーの。 ……悪かったって、うん、ナタリアはそこがいいところだもんな。 でもアッシュは俺のだから、ナタリアには絶対にやらない。 「……アニス、俺やっぱ飯いい」 「え?」 「用事思い出した。悪いってガイに言っておいて」 「ちょ、ちょっと、アーク!」
気持ち悪いくらいのアッシュ至上主義くらいがちょうどいい なんでみんながいるかというと、 今はアーク復活間もない(一か月未満)なので、 ごたごたしつつみんな滞在中……ってとこ。