ドフラミンゴを押し倒して、派手な桃色の羽毛を剥ぎ取る。相変わらず手触りの良い羽毛だ。 その手触りは少し惜しかったが羽毛は適当なところへと放り投げて(何か言いたげな視線は無視した)、 前の大きく開いたシャツの隙間からドフラミンゴの胸元をなぞれば呻き声に近い声が洩れた。 「もう少し色気のある声を出したらどうだ?」 「フフ…出させて、みろよ…」 「…言ったな。後悔するんじゃねェぞ」 普段から露出している鎖骨のあたりに思い切り齧り付いけば今度こそドフラミンゴは呻き声を上げた。 うう、と呻く声に色気を見出す俺は、加虐精神が強いのかもしれない。いや、今更か。 くつくつ笑って再びそこへ噛みつけばドフラミンゴは嫌そうに押し返してくる。なにすんだと目で訴えれば睨み返された。 「痛ェ、」 「痛いだけか?」 違うだろ、と今度は腹部に噛みついてみればさっきよりも痛そうな声をあげた。 「う、あ…痛ェ、つって…ッ…」 「でもこっちは元気だぜ、ドフラミンゴ」 「ッ!」 がぶがぶと噛みついたまま下へ降りて、そそり立つそれを舐め上げた。噛まれるとでも思ったのかびくりと身体が揺れる。 流石にここは噛まねえよと頭を撫でてやればほっとした顔を見せる。…可愛いなんて思ってない。 普段は生意気な癖に、どうしてこう俺の緩い部分を擽るんだろうかこいつは。 「ふ…、」 「しかしこりゃ舐めるもんじゃねェな。不味い」 「なら、舐めんな…っ」 「やだ」 見せつけるように先端をべろりと舐める。青臭い味が口に広がるが、まあいい。後でキスをして思い知らせてやろう。 いつものように余裕そうに笑ってるよりは可愛げもあるしな。いや可愛くはないが。 「ぅ、う…、ッ」 思いきって咥えてみればドフラミンゴが呻き声、もとい喘ぎ声をあげた。本日第一声おめでとう。 「出したな。声」 「…ッ、」 「そんな顔すんなよ。自慢の顔が台無しだぜ」 真っ赤な顔して睨みつけてきたって凄みはないし、何より今俺は急所を掴んでいる。恐れる要素は皆無だ。 深く咥え込んでドフラミンゴを奉仕してやる。もし能力使って抗ったら噛み千切ってやると物騒なことも考えて。 「ぅ、あ…ッ!」 「!」 びゅる、と突然白濁が飛び出した。イくならイくって言えよ馬鹿。顔面にかかっただろ。しかも口にも入った。不味い。 何が悲しくて顔射をされなきゃいけねーんだよお前が綺麗にしろよなこれと言おうとする前にドフラミンゴがキスをしてきた。 珍しいこともあるもんだなと絡めてくる舌に答える。つか不味くないのかこいつ。まだ口の中入ってるぞ。 「は…っ…」 「最高に不味いだろ?」 「フッフ…あんなん飲もうとする奴の気がしれねェぜ…」 「じゃ今度から女に飲ませようとするのやめるんだな」 顔にかかった白濁を指ですくって舐めてみる。不味い。…いや、慣れればマシ…やっぱ無理だ不味い。うげえ。 不味いなと口に出して言ったのにドフラミンゴから反応がない。なんだろうと顔を上げればドフラミンゴが固まっていた。 「…ドフラミンゴ?」 「フ…フフ…フフフ! フフフフフフフ!」 「うおっ」 固まったと思ったら突然笑い出すとか、お前の頭の中がわからねェよ俺には…。 つーか全裸の長身がフフフとか笑ってたら逃げ出さない奴いねェだろこれ。俺逃げないだけ凄いんじゃないだろうか。 なんて冗談はさておき、そろそろ頭が心配になってきたので軽く殴ってみた。笑い声が止まる。お? 「やたら噛みついてくるから何かと思えば」 「…」 「フッフ…おれの抱いた女に嫉妬か」 「……」 「可愛いとこあんじゃねェか」 こいつ相手にここまで、殺したいほどにうるせェな、と思ったのは初めてかもしれない。 「フッフ…フッフッフッ!」 「…もう黙れよ、お前」 「フフフフフ! なんだ、恥ずかしいのか?」 黙らないから無理やりキスして口を塞ぐ。こういうときは息が出来ないほどに乱してしまうのが一番だ。 ぐちゅぐちゅと音が鳴るまで唾液を送って舌で嬲って、お互い顎が唾液まみれになったあたりで一旦切り上げる。 「ふ、…は、ぁっ…」 「くだらねェこと、考えんなよ」 胸の突起に舌を這わせて、もぞもぞと後ろの方へも手を伸ばした。さて、今日はどうするか。 「…んっ…」 「ドフラミンゴ、どうされたい」 「あ…?」 「挿れるか? それとも今日はやめる?」 ゆっくりとドフラミンゴの目が細まった。恐らく考えているんだろう、俺の出方を。何を考えているのかと勘繰っている。 …残念だったな、ドフラミンゴ。今の俺は何も考えていないのさ。お前の考えるようなことは、なにも。 「おれに選択肢を与える余裕が、てめェにあんのか…?」 「…決まりだな」 全くこいつは俺を煽るのが上手い。二重の意味で。今日は容赦しねえ、それこそ二重の意味で。 がばりと柔らかいベッドへ押しつけて、鎖骨のあたりに噛みついた。痕だって残してやる。 そこへ噛みつくのに満足したらちゅうと吸って赤く充血させる。ああ、あの羽毛にこの紅はどれだけ映えることだろうか。 「ん…挿れるんじゃ、ねェのか…」 「まだまだ夜は長いぜ、ドフラミンゴちゃん」 「フッフ…思ったより余裕じゃ、ねェか…」 余裕なものか、馬鹿。いつもはあんな風に誘わない癖に、どうして今日に限って…。 「お前が泣いて挿れて下さいって言うくらいまでは待ってやるぜ」 「そりゃ…フ…永遠に、挿れらんねェなぁ」 生意気なことを言うフラミンゴだ、全く。フラミンゴのような優雅さなんて欠片も持っていない。 集団で生きることもない、落ちこぼれのようなフラミンゴ。俺のものになったはずだろう? 長い、それこそフラミンゴのような脚を持ち上げて腿のあたりにも噛みついて、ふとフラミンゴの味について思い出した。 「なあ、知ってるか? フラミンゴって世界一マズイ鳥って言われてんだぜ」 「…フッフ…この状況でなにが言いたい? 喧嘩なら買うぞ」 「別に。俺も、とんだ悪食だなと思っただけだよ」 そんなマズイ鳥を押し倒してさあ食うぞと構えてるんだからさと笑えば、ドフラミンゴもフフフと笑った。 とりあえずどんなに不味いと評判の材料だろうが、美味しく調理することにしようと。 噛んだり舐めたり好き勝手した所為で唾液でぬらりと光る腿に、緩く口付けをした。
尻切れトンボ