「陛下! 陛下、どうしてですか陛下!!」 嗚呼、イヴェ君の声がする。 けど……ごめんね、僕は君の声に答えてあげられないんだ。ごめんね。 「陛下! 陛下……陛下! 返事してください、陛下ッ!」 必死に僕に呼びかける声。 段々涙声になっていく、声。 ごめんね、泣かせたくなんてないんだ。けど、 だけど、 「陛下ぁ……ッ」 これだけは、譲れない――ッ! 譲れない想い (……なにしてんですかあの二人は) (いえ、どうやら陛下の貯蔵タバスコについて争っているようで……) (馬鹿ですか……)