ねえ、生きているのは楽しいことかな。 前にね、聞かれたことがあるの。 「生きてるのって、楽しいかい?」 そう私に問うたのは、とある少年。 褐色の肌に、銀色の髪。緋色の瞳。 肩を出したボロボロの服。 あの少年は、誰なんだろうね。 あのとき一度会ってから、一度も会えていないの。 探しているのにね。 なんで会えないのかな? 私は彼に会いたくて、 水底にずっと、ずぅっと、居るのにな。 なんで、会えないのかな?
忘れ物はありませんか? 前に、聞かれたことがある。 「忘れ物はありませんか?」 そう僕に問うたのは、とある少女。 僕とは違う肌色の肌に、金色の髪。碧色の瞳。 白を基調とした、清楚な服。金色に輝く小さな翼。 あの少女は、誰なんだろう。 あのとき一度会ってから、一度も会えてない。 待っているのに。 どうして会えないのだろう? 僕は彼女に会いたくて、 此処でずっと、ずぅっと、待っているのに。 どうして、会えないのだろう?