「エクソシスト、見ーっけ」

一瞬ヒヤリとした感覚の後、途端に熱くなる。
斬られたんだ。痛い。

「いった……」

ケケケと笑うアクマ。
これはちょっと、いやわりとむっとするね。
アクマの爪で切られたんだし。これって触られたよね?

「ムカついたな」
「あん? なんか言ったぁクズのエクソシスト〜?」

殺していいかな。いいよな?
うん、別にいいよね。相手は雑魚いアクマだし。

「ちょっと君、"自殺してくれる"?」

にこりと微笑んでみれば、アクマが怪訝な顔をした。
うん、フシギだろーね。イイじゃないか、お前は聞くだけでいーんだよ?
こっちは言う度に気持ち悪いのに。

「ハァ? なに言って――」

自分の手をオナカに刺して。
ぶしゅぅ、とアクマから血が噴き出た。
虹でも出そうなくらい、勢いがよかった。

「オヤスミ」

そういえば気にしたことなかったけど、
こうして俺が命令して自殺した場合はダークマターどうなるんだろう?
わかんないな。

「もし解放されてなかったら……」

アレンにナニを言われるのかな?
アレンと一緒の任務のときは使わないようにしよう。

「ふぁ……疲れた」

腕、痛いし。
ミランダのイノセンス、借りとけばよかったかな。
でも本人が使いこなせてないモノ、扱い難いからなぁ。

「帰ろ」

あ、でもティキのトコに行くのもイイかもしれない。
心配……してくれるかな?
わかんないな。俺ケガとか滅多にしないし。

「うーん、ラビだったら心配してくれるかな」

顔を真っ青にして、「どうしたんさその傷!」って言ってくれる気がする。
ラビはカンタンにわかるけど、ティキは全く想像がつかないな。
うん、予想のつかないティキの方にしよう。
決ーめた。