「ん……」 ――、また…だ。いつもそう。 いつも、交じ合うことなく夢は終わる。 言葉を交わせることなんて、ほとんど無い。 あったとしても会話の成立しない、一言二言のみ。 精々が顔を合わす程度の会話か、眠っているか、会えないか。 基本的に彼はボクに語りかけない。 彼は黙って枝垂れ桜に座ってボクを見つめるだけ。 そしてボクも彼の抗えない眼光に臆し、見つめるまま。 ただ、それだけ。お互いを見据え、ただそのまますれ違う、のみ。 「…どう、して」 どうして、同じなのに… 同じはずなのに…… こんなにも焦がれてしまうのだろう――?