ゴンに関わり魅せられた受験者達がイルミの道を塞いだ。俺は動かない。動くだけ無駄だ、わかってる。
「困ったな……、ねぇ」
「あー?」
なんでそこで俺に振るかな。あっ無視すればよかったのかもしれない。
全員の目線が痛すぎてイルミ見てるしかないんだけど。それにしてもいつ見てもイルミの瞳は光がないなー。
「ゴン。殺してきてくれる」
「それは依頼か?」
「ううん、俺の個人的なお願い」
「じゃあ断る」
失格になるのは困るからな、と目線で伝えたら納得したようだった。
そっかそうだよね、失格になっちゃうね、とかなんとか言って黙り込んだ。
イルミは自己完結が多いから、傍から見るととてもわかりにくい上、話題が突然飛ぶ。全く困ったもんだ。
「なら、試験が終わってからゴンを殺そう」
それ俺にも言ってんの? 俺がキルアの背後に位置するからか、イルミの目線を痛いほど感じる。
「困っちゃうね、」
「なんで俺に振んの」
「え? 手伝ってくれるんでしょ」
「誰がいつ言った?」
「俺」
この俺様暗殺者め……
「そうだ、トモダチが欲しいならにすればいい。なら俺も反対しないよ」
だからなんで俺なの? つーかそういう以前に俺、キルアの友達のつもりだったんだけどな。
ていうかイルミ的に俺ってお前の友達だったの? そりゃ嬉しい誤算だな。ちょっと怖いけど。
「ね、キル」













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キルア脱落前