「とヤれるなんて、ゾクゾクしちゃうね」 「まぁ、色々な意味でな」 変態だ、変態マックスだ。こいつ俺のことすらも狙ってやがる。 強い奴にしか興味ないんじゃねぇのかよ……! それとも俺は果実のお眼鏡に敵っちゃったのか? いやまさか。 「でも、ここだと制約が多すぎるなぁ」 「なんならまいったって言ってもいいんだぜ」 「まさか」 君が言うんだよ、と言うヒソカは既に臨戦体制で、完全に俺と闘り合うつもりらしい。 トランプ構えてるだけだってのにこの威圧感、恐ろしいな……さすが最強。 でも俺だって負けられない。何度も試合をするのは面倒だ。あやまあ、ヒソカと闘る方が面倒そうだけど。 「賭けようか」 「?」 「ヒソカは俺に負けるよ」 「……面白いことを言うね」 武器は使っていいんだよな? つーか相手も使ってるし。 ヒソカって毒効くのかな。なんか毒も悦びそうっていうか、性癖が未知数。 「そのナイフ……」 何もない服の中から取り出したように見せたナイフ。これでヒソカは俺を具現化系だと思っただろう。 「あいつ、服ン中にあんな物騒なモン隠してたのかァ!?」 レオリオのすっとんきょうな声が、念を知らないみんなを誤魔化してくれる。無知って便利だ。 「……、いいナイフだね」 「そう? どうも」 クロロの毒付きベンズナイフ。獲物を自慢するの好きだから、喜ぶんじゃないか? 俺もこのナイフは気に入ってるんだ。これを褒められるのは悪くない気分。 「かすったらお前の負けだよ」 「毒付きってこと、だね」 「物分かりが良くて助かる」 もし万が一最悪の場合ヒソカが毒に一切の耐性がなくて一瞬で死んだらどうしよう……。 い、いやいや、頑張れよ最強。たかが毒に! いつかクロロにも向けられるかもしれないんだし! ……あいつは毒なんて使わずに獲物をいたぶるけど。 「まいったの一言さえ言えば解毒剤をやるよ」 「イイ、イイね……ククク…………」 真性の変態だ、ドMだ、色々な意味で最強だぁ…… 「縛られた中でヤり合うのもイイ」 この場にいるほとんどがヒソカの変態ぶりにドン引きだ。あぁ、きっと語尾はハートだな! なんだか徐々に語尾の記号になにがつきそうかわかってきてしまった。嫌な経験だ。 * ハンター試験