「よるー!」 「……朝……」 「ねえ、今日はなにをする? 昨日のは疲れるから、ちょっと時間空けてくれたら嬉しいな」 朝。 それは、俺の半身。 夜。 それは、朝の半身。 朝と夜。 それは、黄昏の分身。 朝と夜は常に共に在り、けれど決して交わることのない存在。 ……の、はずなのだが。 「? 夜? どうかしたの?」 「……お前なぁ……」 朝は、盛大に絡んでくる。 昨日はそれならばと、思い切って無理矢理抱いてみた。 流石の朝もヤバいと感じ取ったのか、最初は抵抗していた。 だが、段々と受け入れ始め、最終的には自ら事を進めていて―― 結局疲れたのは、俺だけだった。 昨日の今日だというのに、朝は元気良く走り回り、 俺を避けることもなく、いつものように元気だ。腰を痛めている素振りもない。 ……本当、疲れてるのは俺だけなのだろうか……。 「……はぁ」 「どうしたのー? よーるー」 「あのな……お前、昨日の今日だぞ? 少しは、こう、避けるとか……」 「なんで? なんかしたっけ?」 しかもあのことはただの遊びだと思っている。 一番性質の悪いタイプだと思う。 「……もういい……」 「? ねえ、早く遊ぼうよー」 「……勝手にしてくれ」 「え、僕が選んでいいの? やった! じゃあね、じゃあね……」 しかも思い込みが激しい。 勝手に思い込んで勝手に事を進めやがる。 「そうだ、栗拾いに行こう!」 また突拍子もないことを言い出しやがった。 (今は真冬だ!)
今回はヘタレ夜と無邪気朝? 常識に囚われない朝。悪く言ってバカ。