「ねえ、君名前なんていうの?」 「……」 雪の降り積もる、寒い寒い黄昏時。 ちらちらと降り続ける雪の中、白銀の天使が舞い降りた。 「? ……どうかしたの?」 「………………、ス」 「え?」 「…………ジューダス」 「ジューダス?」 天使が首を傾げる。 ――この天使も、すぐにどこかへ行ってしまうのだろう。 この名を知ったら、どんなに優しい神だって、すぐに逃げてしまうのだから。 「ジューダスなんて、君には似合わないね」 「…………え?」 「そうだ、僕は君をジュダと呼ぶことにしよう」 天使が、僕に微笑みかける。 「よろしく、ジュダ」 僕は、初めて神に感謝した。
初めてジュダって聞いたとき、最初に浮かんだのはジューダスでした。