私はヴィオレット。

死の姫。紫の姫。菫の姫。


でもね、知ってる? ――青い菫も、あるのよ。


紫にして青。

――死にして生。

其れは彼女にとって、残酷な真実。


生と死の片割れが、死だけを司ると思って?




「Monsieur、大好きですわ!」

「うん、僕も好きだよ、オルタンス」

「Monsieur、大好きですわ!」

「うん、僕も好きだよ、ヴィオレット」



「Monsieur、大嫌いですわ!」




其れは彼にとって、残酷な真実。

其れは彼女にとって、残酷な虚実。


彼には私が居るの。生も死も、まだ一緒に居るのよ?




「うん、僕も大嫌いだよ、オルタンス」




――馬鹿な子。












「嘘吐きは、嫌い」













冬も生と死が居ないと駄目だけど、双子も冬が居ないと駄目だと思う。