!」

「ん? どうかしたのかい、イヴェール?」




「なんて嫌い、大っ嫌い!」







残酷なまでに美しい笑みで、彼はそう言った。
























「な、なぁ……あいつ、どうしたんだ?」 「随分と……凹んでるけど」 「いえ、それが……Monsieurに」 「今日がエイプリルフールだということを教えたら」 「「あんなことに」」 「……そりゃそうだ」 「そうそう。多分ローランサンもイヴェールに何か言われたらキノコ生やすだろうね」 「んだとっ!?」 「だってそうでしょ、絶対」 「お……お前だって、ノアに嫌いとか言われたらいやだろうが」 「別に? 僕は元からあいつなんてどうでもいいし」 「そうじゃねえよ、元からお前に付き纏ってるノアが急に嫌いとか言い出したら……」 「……うわ……」 「だろ!? それと同じだ、俺も急にイヴェールに言われたら気味悪い」 「……うん、ごめん……」
「――嗚呼、私は一体何をしたのだろうイヴェールの気に障るようなことをしたのだろうか 嗚呼私なんか死ねばいいよイヴェールを傷つける者は死んでしまえばいいんだ死んじゃえ私死ねよ イヴェール、嗚呼イヴェールごめんよイヴェール悪気なんかなかったんだ赦してくれとは言わないからぶつぶつぶつぶつぶつ...」
「ちょ……なんか言ってる、あいつなんかぶつぶつ言ってる!!」 「うわ怖っ!」 「しかもなんか自分に向かって暴言吐き出した!」 「あんなに思いつめて……、そこまでイヴェールのことを……」 「は私たちが思っていた以上にMonsieurを溺愛していたようですわね」 「予想外の効果ですわ」 「お前ら呑気だなオイ!? お前らの主人の恋人があんなんなのによ!」 「なにを言っているんですの、ローランサン?」 「はMonsieurの恋人ではありませんわ?」 「うわっ大胆発言!」 「大胆発言じゃなくて衝撃発言でしょッ!? え、ってイヴェールの恋人じゃないの!?」 「違いますわ?」 「違いますわ、ルキア! はMonsieurの召使ですわ」 「そうですわ!」 「えええええええええええええええええええッ!?」 「えええええええええええええええええええッ!?」
「――嗚呼思えば最近イヴェールは妙にそわそわしていたもしかして最初からイヴェールは私のことが 嫌いだったのだろうか私はそれに気づかずあんなに図々しくイヴェールの中に入り込んでイヴェールに 迷惑をかけていたのだろうかそしてイヴェールはそれを鬱陶しく思っていたのかもしれぶつぶつぶつぶつぶつ...」
「うわっ大変だの根暗度が更に上がってる!!」 「ちょ双子! マジであいつイヴェールの恋人じゃないわけか!?」 「そうですわ?」 「そうですわ、Monsieur Laurencin」 「ええええ……っじゃあ今まで見せ付けれてきたアレは!?」 「なんのことですの? そのくらい、Monsieurはサヴァンともしてますわ」 「ええええッ!!」 「マジでか!」 「マジですわ。Monsieurは生まれていないので、常識がわかりませんの」 「だからよくわからずにしていることの方が多いんですわよ?」 「えええええええ……そんな……」 「それって物凄く、が可哀相じゃないか……」 「サヴァンはそういうこと、知っているんだろう?」 「勿論ですわ。サヴァンはサヴァンですもの」 「ややこしいよサヴァンはサヴァンとか」 「賢者は賢者ですもの」 「ややこしさは変わらないよ……」
「――そういえばイヴェールこの間私の物語を聞き流していたようなその前もその前もその前も聞き流していたような 嗚呼私の物語は面白くないのだろうかやはりあのサヴァンの集める物語の方が面白いのかイヴェール、嗚呼イヴェール 私はどうすればいい、私は、私はどうすればいいのだぶつぶつぶつぶつぶつ...」
「ちょ……オイ、誰か今日がエイプリルフールだってこと教えてやれよ……」 「い、いやだよ……ローランサンが行けばいいじゃないか」 「俺だって嫌だっつの! お前が行けよ!」 「僕は嫌だっていってるじゃないか、ローランサン男だろ!」 「醜い争いですわね、ヴィオレット」 「そうですわね、オルタンス」 「「なんだって!?」」 「お前らなぁ、があんなに凹んでるの見て何も思わないわけ?」 「そうだよ、には色々と世話になってるのに」 「私たちは人形ですわ?」 「そうですわ、私たちは人形ですわ?」 「こんなときにばっか人形ぶるなよ!」 「いつもお菓子食べたり紅茶飲んだりしてるクセに!」 「人形だってお菓子食べて美味しいと感じたり」 「紅茶を飲んで幸せを感じたしくらい」 「「普通にしますわ」」 「ああ言えばこう言う……」 「屁理屈屋な人形だなぁもう……」 「うふふっ、私たちに理屈で勝てると思って?」 「うふふっ、私たちに理屈が通じると思って?」 「うわぁ……」 「――!」 「……え……?」 「……っ!」 「……イ、ヴェー……ル……?」 「……ごめ……ごめんね、ごめんねっ……」 「……イヴェ……どうして……」 「今日、が……嘘を吐いてもっいい日だって、双子、が……」 「……嘘……エイ、プリル……フール……?」 「ぅ、ん……その、に……嘘でも、言ったのが……嫌、で……だから……」 「……もう、いいよ。イヴェール」 「え……?」 「うん……ありがとう、イヴェール。嫌いじゃないって、ことだよね」 「……うん」 「なら、いいよ。私は、もうそれだけ言ってもらえれば、嬉しいから」 「……ほん、と?」 「本当さ! 私はイヴェールを愛してるから、ね」 「え……っ?」 「――ふふ、さぁ……何時ものように、物語でも話してあげようか」 「え、ちょ……、今……」 「さぁ……何か言ったかな?」 「え、ええええ?」 「うわ……」 「うえぇー……見せ付けれられた……」 「やっぱりMonsieurとはラブラブですわね、ヴィオレット」 「そうですわね、オルタンス」 「え?」 「お前ら、さっきからあいつらのこと否定しまくって――あ」 「今日はエイプリルフール」 「嘘を吐いてもいい日、ですわ!」
ん、いやあの、……すみません……。 即急で用意したので、こんな変なものです。エイプリルフリルです。 ナニソレオイシイノ?と更新しない気満々でしたが、これ以上の放棄もアレなので、という結果がコレです。 苦情は……覚悟してます……。